Android・iPhone用の音声キーボードとAIキーボード

音声キーボードは打つ代わりに話させてくれるもの、AIキーボードは書いた文章を整えてくれるもので、対象は文法、句読点、口調です。両方をこなす製品もあります。このページでは、いま持っている端末が無料でどこまでやれるのか、有料ツールが実際に何を足すのかを見て、乗り換える価値があるかどうかを判断できるようにします。

更新日 2026年9月2日

まず手元にあるものから

Androidの端末には、音声入力のできるキーボードが最初から入っています。多くの機種ではGboard、GalaxyではSamsungキーボード、iPhoneではAppleのキーボードです。日本で売られている端末では、これに加えてメーカーが用意した日本語入力(iWnn IMEなど)が初期設定になっていることもあり、マイクボタンの位置や有無はキーボードごとに変わります。どれも無料で、短いメモなら問題なくこなします。弱点は整形です。標準のエンジンは聞こえたとおりに文字にするので、句読点や言いよどみの始末はおおむね自分の仕事になります。マイクボタン自体が見当たらない、あるいは灰色で押せないなら、それは別の、直せる問題です。音声入力が使えないときの手引きをご覧ください。設定の手順から始めるならAndroidで音声入力を使う方法へどうぞ。

CleverType:打ちながら書き直してくれるAIキーボード

CleverTypeはAndroidとiPhone向けの完全なキーボード置き換えで、文章の処理を中心に作られています。ワンタップの文法修正、口調の変更(丁寧、くだけた、礼儀正しい)、翻訳、どのアプリからでもキーボード上で呼び出せるAIアシスタント。音声入力も入っていますが、入れる理由になるのは文章ツールのほうです。キーボード本体は無料で、AI機能は有料プランで動きます。困っているのが音声入力ではなく、きちんとした言い回しにしたいメッセージ(仕事のチャット、移動中のメール)なら、これがいちばん近い答えです。ただし日本語で使う人は一点だけ確かめてください。キーボードを丸ごと置き換えるということは、フリック入力やかな漢字変換の作法までその製品のものに変わるということです。

Grammarly Keyboard:英語なら安全な選択

AndroidとiPhone向けのGrammarly Keyboardは、同社のよく知られた文章チェッカーをあらゆるアプリに持ち込みます。つづり、文法、分かりやすさの提案が、入力中にキーの上に出てきます。無料で使えて有料機能もあり、作りは丁寧で安定しています。ただし譲れない制限がひとつ。英語でしか動きません。日本語で書く人にとっては、差し出せるものが何もないということです。英語のメールを書く時間が長い人だけが検討に値します。

Wispr Flow:どこへでも付いてくる音声入力

Wispr Flowは音声入力の側からこの問題に近づきます。iPhoneではキーボードとして入り、Androidではいま使っているキーボードの上に浮かぶマイクボタンとして動きます。つまりGboardや日本語入力はそのまま残したうえで、きれいな音声入力だけを足せるということで、かな漢字変換の環境を変えたくない日本語の利用者には効いてくる作りです。100以上の言語に対応し、日本語でも使えます。ただしメーカー自身が、英語以外の文字起こしはまだ英語ほど正確ではなく、英語と日本語を混ぜる使い方はスペイン語やフランス語との組み合わせほどうまくいかないと書いています。言いよどみを削り、句読点を自動で打ち、同じアカウントがMacとWindowsでも使えます。無料プランは週2,000語まで、たくさん使うならProの月額契約が要ります。文法ツールではなく音声入力そのものが欲しいなら、いま携帯電話で選べる中ではこれがいちばん強い選択肢です。

選び方

三つの質問で決まります。何語で書きますか? 英語だけならGrammarlyが手堅い選択、それ以外の言語なら候補から外れます。困っているのは打つことですか、話すことですか? 文章をよくしたいならCleverTypeのようなAIキーボード、打つ代わりに話したいならWispr Flowのような音声入力ツールです。キーボードそのものを入れ替えたいですか? 入れ替えには一度の設定と数日の慣れが要ります。AndroidでのWispr Flowの重ね置き方式なら、その入れ替え自体が起きません。

よくある質問

AIキーボードは安全に使えますか?

キーボードは打った内容を見ています。ですからプライバシーポリシーを公開している定評のある製品を選び、端末から何が出ていくのかを確かめてください。上に挙げた三つはいずれもAI機能のために文章をクラウドで処理します。どれもパスワード欄への読み取りは必要としませんし、Androidはそもそもパスワード欄での音声入力を仕組みとして塞いでいます。

まともな音声入力を使うにはお金を払うしかないのですか?

いいえ。Gboardの音声入力は無料で、短いメッセージなら十分です。有料ツールが対価をもらっているのは、整形の質、言いよどみの除去、対応言語の広さ、複数の端末をまたげることです。どれも長く頻繁に話して書く人ほど効いてくる部分です。